ツインの絆


ちょうどその頃、広志は別室で警察官に孝輔の被害を話していた。


そう、孝輔はあくまでも被害者、
それ以外は無い、と言う事を強調して話した。


ややこしい事を言い出すようなら、うちには顧問弁護士の山根悟がいる。


まあ、彼の出る幕は無いだろうが、その存在だけでも心強いものだ。





父と兄がいるのなら自分達はここにいる必要は無い、と二人は病院を後にした。



「広志、どこかで腹ごしらえをしよう。俺は腹ペコだ。」



そう言えば、あきらはとびの仕事を終えて戻ったところを、広志に声をかけられた。


それから大立ち回りをして病院。


既に八時を回っているから、腹が空いていて当たり前。


服装も野崎組の名前が入った作業服姿のままだ。



「そうでした。すみません、忘れていました。」



二人は目に付いた昔ながらの食堂へ入り、丼飯を注文した。



そしてまだ孝輔のことに心を痛めている様子の広志に、あきらは話し掛けている。




「おい、元気を出せ。まだこれから一仕事あるのを忘れたのか。 
今からが本番だから、お前もしっかり食っておけよ。」



これからの一仕事、と言う言葉に反応した広志は、
その涼しげな瞳を鋭いものにしてあきらを見た。



「背後関係、分ったのですか。」


「ああ、バッチリよ。豊橋の橋本だ。」


「橋本… それが暴力団ですか。
僕、インターネットでそれらしき組織を捜していたのですが、
岡崎に関係するようなヤクザや暴力団で
ヘロインを扱うようなところは見つけられなかった。
橋本だなんてどこにも無かった。」



広志も一応は、事務所のコンピューターで、
それらしきものを調べていたが、分からなかった。