「孝輔はどうだ。」
孝輔は駅の近くの総合病院へ担ぎ込まれていた。
そして、事を終えたあきらも駆けつけた。
「孝輔は急性ヘロイン中毒。
だけど早くに手当てをしたから二・三日で退院出きるって言われた。
でも… こういう症状は警察に通報するのがルールだからって言われたよ。
その内に警察が事情を聞きに来るらしいから、僕が話をする。
あきら兄ちゃんはかしらに事情を話して。
孝輔、こんな借用書を書かされて絶望的になったみたい。
大輔が襲われたことで責任を感じていたから、
あいつらの言うとおりにしたのだ。
かわいそうに… 僕が守ってやらなければいけなかったのに。」
そう言って、いつの間に持って来たのか、
広志は孝輔が書かされた借用書をあきらに見せた。
「なあに、気にするな。これで奴らを一網打尽にしてやる。
岡崎の人間にヘロインなど… 許せることじゃあねえ。
ましてや野崎の息子にふざけた真似をした借りは、たっぷり返してやるさ。
孝輔がこうして無事だったのだから、
お前は気にすることは無い。」
あきらは、異常に落ち込んでいる広志を慰めようと言葉を尽くしている。
しかし、相変わらず蒼白く、死んだようにぐったりと眠っている孝輔。
見つめている、広志の表情は冴えない。
しばらくして、孝太と肩のギブスが痛々しい大輔親子が病室に駆け込んで来た。
「孝輔は大丈夫なのか。」
「孝輔… 」
二人とも初めは興奮していたが、眠っている孝輔の様子を見て安心した。
そして、あきらの説明を受けた。

