ツインの絆


「大輔、大丈夫か。」



その代わりに広志が機敏に動き、
大輔の隣に座り込んでいる剣道部員を一瞥しながら大輔に近付いている。



「すみません。僕がやられてしまったので野崎が庇って… 
僕の代わりにこんな事に… 」



大輔に駆け寄った広志を見て、
剣道部の山田公樹が肩を押さえている大輔を見ながら謝った。



「君のせいではありませんよ。それにしてもまだ陽の残っているこんな時刻に… 
ふざけた行為だ。君は大丈夫ですか。」



広志は落ち着いた口調で山田を見ながら、手だけは大輔の右肩に触れている。



「広志さん、俺だって大丈夫だ。あいつら金属バットなど使いやあがって。」



大輔は粋がって、何でもない振りをしているが、
時々顔をしかめ、額には脂汗まで浮かんでいる。


痛みを堪えているのは誰が見ても明白だ。



「静かに、動かないで。折れてはいないようだけど、
肩にひびが入っていたら大変だから、このまま病院へ行こう。
君も見てもらったほうがいい。あいつらのことは後で考える。」




広志は大輔に肩を貸しながら近くに見える外科医院へと向かっている。


幸い山田は、打ち身ばかりのようで自転車も自分で引いている。



「孝輔は大輔の自転車を頼むよ。」



そう言って、立ったまま固まってしまったような孝輔に声をかけた。


広志は、その時の孝輔の気持をいやと言うほど理解出来た。


しかしこの場は素知らぬ振りをして、まずやるべき事をしなくてはと思っていた。