その話は、戻ってきた孝太や山根の口から皆が知る事になった。
が、今、孝輔は、その場の写真があるという広志の言葉に…
一目散にアパートへ直行した。
「広志さん、これって… ナルトのパフォーマンスをしたのですか。
大学院の卒業式で。」
アルバムを見て孝輔は驚いた。
ハーバードと言えば、自分でも名前を知っているアメリカの有名大学だ。
そこの大学院と言えるロー・スクールの卒業式でこんな事を…
和ちゃんがナルトというアニメを好きなのは知っていたが、
こんな衣装までつけて悟さんの卒業式に…
誰も咎めなかったのだろうか。
孝輔には信じられない写真だ。
父さんたちも驚いた事だろう。
でも、誰もそこまでは言わなかった。
あんな面白い卒業式は、とか、腹がよじれた、と言う様な言葉は聞いたが…
誰からもそんな話は聞かなかった。
「正確には卒業式の前夜祭みたいなパーティーだよ。
日本と違って楽しかった。
立食パーティーみたいだったし… 夜だったし…
でも、和ちゃんが衣装まで持って来るとは知らなかった。
悟兄ちゃんは初めから知っていたみたいで、
式で着るガウンの裏にガアラの色、あの茶色の布を付けていたから驚いたよ。
あの二人は初めからナルトが好きだったからね。
英語で替え歌まで作って、僕にも歌え、って…
初めはものすごく恥ずかしかったけど、終わってしまえば楽しかった。
それに、皆、意表をつかれ大騒ぎして喜んでいた。
和ちゃんの考える事はいつもそうだよ。不思議だね。
でも明美おばさんと裕君は恥ずかしがって…
食べ物が喉に通らなかった、と言ってホテルに戻ってから怒っていた。
フフ… あの時は本当に楽しかった。」
孝輔は驚きながらアルバムを見入っている。
アメリカで学んでいると言っても、
和也は身長こそ伸びているが、表情その他は子供っぽいままのようだ。

