………。
………。
………ああ、まだ痛い。
はたかれたせいでほんのりと熱を宿す頬が。
爪が食い込むまで握られた腕が。
壁に打ち付けられた頭が。
したたかに蹴られたお腹が。
踏まれて折れてしまった指が。
ナイフで貫かれた眼球が。
痛い。
痛いの。
…でも……もう、慣れてしまったこの痛み。
…良いのです。
私は……どんなに傷付いても…構いません。
………貴方様が抱える痛みは、こんなものではないのでしょう。
………いえ………痛みなど………そんな表面上のものなど………貴方様には関係無いのでしょう。
…遠い昔から。
………貴方様がお生まれになった時から。
私は貴方様を見守って参りました。
貴方様のお側に、いつも、いつも。
………役立たずな付き人で、申し訳御座いません。
貴方様の機嫌を損ねてばかりで、申し訳御座いません。
どうか、どうか。
………要らない、とだけは、おっしゃらないで下さい。
ずっと、ずっとお側に。
この先も。
ずっと先も。
どうか。
どうか。
………貴方様のご命令ならば、私は何でも致します。
…貴方様が何をされようとも…私がどうなろうとも…。
―――…本当の主である神に、背を向けようとも。
主様。
リイザ様。
何があろうとも私は、貴方様の付き人です。
ログは、ずっと…ずっとお側に。