草木が芽吹く。
風が走る。
雲が空を這う。
陽光が降り立つ。
鳥が羽ばたく。
獣が咆哮をあげる。
息をする。
鼓動を聞く。
目を閉じる。
目を開ける。
命を見る。
生を知る。
世界は、生きている。
世界が、動いている。
動き出そうとしている。
どんな未来を、先を見据えているのか。
世界は、動く。歩き出す。
世界と共に、歩き出さなければ。
私達は、何も変わらない。
変わることなく一生を終えるか、未踏の地へ踏み込むか。
それは自由だ。
私にとっても、誰にとっても、その選択は自由だ。
私は、歩く。
私が一つの大国の上に立つ女王だから、ではない。
私の国のために、私に生きる意味を与えてくれた人のために、守りたいもののために。
私は歩く。
走り出す。
誰かが、変えなければならないのならば。
私が変えてみせる。
ただただ、私は走る。
たくさんの犠牲を生み出した過去を抱えて。
先祖達の屍を越えて。
ついて来るのか?
それも自由。
だが、ついて来るのならば。
それなりの、覚悟がいる。
私に、ついて来るか。
はぐれるな。
前を見ていろ。
眩しくとも目を背けるな。
闇を恐れるな。
うちひしがれようと、心が潰されようと、それでも堪えられるというなら。
その手を、伸ばせ。
私が、手を引いてやる。