あたしが言った瞬間、未博の肩がビクッと跳ね上がってあからさまに反応したのをあたしは心の中でクツクツと笑う。
そして、さらに追い打ちを掛けるように『ほんとは協力なんかしたくなかった…。』そう言ったら未博はさらにビクッビクッと肩を跳ねさせたからおもしろい。
「怜莉…ごめん。でもそれわざとで…。」
『わざとでも嫌だった。』
「うぅ…。マジごめんな?だって…、」
"怜莉の泣きそうな顔、病み付きになるぐらい超可愛かったから。"
さっきまでの弱々しい声はどこへやら。
耳元で甘美に慣れない男の低い声でそう言われ、あたしは顔を真っ赤にさせて協力させてた理由はそんなことだったのかと。
ほんとは"可愛い"って言われてちょっぴり嬉しいけど、ニヤッと悪戯に口角を上げた未博を怒ったのは言うまでもない。
意地悪な恋慕
(結局ね、君には勝てそうにないです。)