「あぁあ!見てみて怜莉!!」

『んぁ?なにー?』



なんてことない退屈な学校という名の箱庭での生活が終わり、それから帰って来ればあたしは未博の部屋にお邪魔してそこでのんびりと時を過ごす。



いつもと同じ、そんな代わり映えしないことを今日もあたしは飽きず繰り返して。



部屋の住人を差し置いて、未博のベッドに寝転びながら適当に手に取り開いた雑誌をペラペラ捲って読んでいる。と。



ベッドを背凭れにして床に座り、お前は恋する乙女か!とツッコミを入れたくなるぐらいさっきからずーっと携帯を弄っていた未博から突然声が上がって名前を呼ばれたあたし。



それに間の抜けた返事をしたあたしの眼前に未博は弄っていた白の携帯を勢いよく突き出してきたのだ。



「見てみて怜莉っ!」

『や、あの、近すぎて見えない…。』

「あ、ごめん。はい、見てっ。」



一体全体なんなんだ。



あたしの顔にくっ付くスレスレまで持ってきた携帯を未博はそこから少し離し、見て欲しいと声を弾ませ、浮かぶ表情は嬉々としている。