ヒオカ先生は、
あたしのアパートの前で
車を止めた。


車を運転してる男の人って、
大人っぽくてステキだ。


「君は、その年で
物わかりが良すぎる。
もっと、わがままに
なったっていいと思うよ」

別れ際そう言って
ヒオカ先生は、
あたしの頭を撫でた。


「わがまま…?」

あたしがつぶやくと、
ヒオカ先生は
黙ってうなずいた。





走り去る車を
名残惜しい気持ちで
見送った。



して欲しかったな、
って思った。


もう一回、キス。