家に帰るタクシーの中、私は抱き着いた事を少し後悔した。

『軽い女って思われたらどうしよう…』

そんな事言ったってもう遅い。

家に着き、鞄の中をあさる。
そこには君の名刺。

私からメールをしたら君は喜んでくれるのかな?

嫌がるのかな?

でもお礼が言いたいの。

あの時、私を見送ってくれたお礼を。

私は名刺を抱きしめながらいつの間にか眠ってしまっていた。