「“なっちゃん”でいいよー」

彼女が言った。

年齢は、20歳を少し過ぎたくらい…か?

彼女の本当の年齢を知って驚くのは翌日の話だ。

「――私…今年の夏は、大恋愛をしたの」

それまで楽しくしゃべっていた彼女のテンションが急に下がった。

「私、久しぶりに恋したの。

相手は、私の理想のタイプとは全く逆のタイプなんだけどさ。

でも、優しい人だったんだよね。

普段は王様、なんだけど」

彼女はフフッと、思い出したように笑った。