そしてすぐ隣の窓を開けた。 風が、吹く。 そんな当たり前のことが、気持ちよく感じる。 叶夜は鞄を机に置くと自分の席、あたしの前の席に腰を下ろした。 そうすると椅子を横に座り、顔をあたしの方に向ける。 「なあ、俺のこと…どう思ってる?」 「どうって…」 あたしは質問の返答に困った。 いきなり訊かれるなんて思ってもいなかったから。 それに、自分自身も明確な回答を持ち合わせていない。 「嫌いなら嫌いっつっても構わない」 「き、嫌いな訳ない!」 叶夜はあたしの瞳を真っ直ぐと見る。