笑みにまではならないが、馬鹿みたいに力が抜ける。 なんだか、悔しい。 「…………ぉはよ」 なんとなく、言ってみた。 そしたら、ほら。 叶夜はもっと大きな笑顔を見せる。 真夏の太陽みたいな、そんな笑顔。 トクン、と鼓動が高鳴る。 …あたしは、この笑顔が、見たかった? そして今でも、見たいと思っている? そんなおかしい話がある訳ない。 「初めてだな。天が挨拶したの」 「うるさい。ただ、……気が、向いただけよ」 あたしはズカズカと歩き出し、自分の席につく。