あたしは今日から満員電車の人混みに150cmあるかどうかの身長が、押し潰されそうになりながらも、高校へと向かう。



曲がりのないストレートで漆黒のツインテールが苦しいと嘆いている。



(あっついし、鬱陶しいわね…)



あたしは幼児体型だの、髪型が子供っぽくて妙に似合うだの、散々言われてきたが別に変える気はない。


自分の好みだ。


―――体型はどうにもならないけど。


構わないでほしい。






やっと自分が降りる駅の名が頭上から降りかかり、扉が開く。


あたしは這い出るように人を掻き分けながら電車の外へと向かう。


思わずぷはっと声を漏らしてしまうほどだ。