そんなあたしの敗北した姿を見てか勝者の笑みを浮かべて奴は喋りかけてきた。
―――↑被害妄想である―――




「ね、ごきげんよう。おはよう、の方がよろしくて?」




転入生は”わざわざ”あたしの横まできて、”わざわざ”あたしの低い身長に合わせる為か、”わざわざ”歩いているというのに腰を低くし、”わざわざ”あたしの目を見て言う。



怒りと鬱陶しさに耐えられなくなったあたしはその場でピタリと足を止めた。




気付けばもう、学校の門の前。


今日は早く来た為、門を通る人々はあたしと転入生のみ。




「何」



「おはよっ」




あたしの睨みにも応えず、容赦なくにこやかに挨拶を交わしてくる。




「だから何よ」



「挨拶ですの」



「知ってる」