悲劇は次の日にやってきた。
「天様っ!ごきげんよう」
「…」
駅の改札を通ると昨日の転入生があたしの前に現れ、上品だが無邪気な笑みを零す。
いや、アンタに天様だなんて言われる意味がわかんないんだけど。
文句のひとつでも言ってやろうかと思ったが、それさえも面倒になり、スルーを選択した。
こういうの、すっごく苦手。
あたしがクラスに馴染めなくて孤立していると勝手に思い込み、お人好しなリーダー面して頑張ってるけど上手くいかないと嘆くヒロインモドキ。
ほんっと、鬱陶しいのよね。
わざわざあたしがクラスに馴染む訳ではない。
どうしてもあたしと関わりたい奴は、そいつがあたしに馴染めばいい。

