あたしはある日、日直だった。
だから独り、教室に残っていた。
残っていたからわざと日直の仕事を忘れたフリをした。
気分ってヤツだ。
教室の窓から真っ直ぐと茜色の光が降り注ぐ。
春風に靡くカーテンが、ふわっと風に乗る。
部活動を行う生徒の、活気のいい声が三階のこの1-2の教室まで届いてくる。
あたしは机に頬杖をつき、左手側の窓の外をただ見つめる。
そこには茜色に染まった世界。
春風がカーテンと共に、緋色に染められたあたしのツインテールをも靡かせる。
風の旋律は緩やかで優しい。
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