それから一週間が経った。
叶夜は授業中にもお構いなしに寝ているあたしに話しかけてくる。
…迷惑。
だけど、…迷惑なんだけど、悪い気はしない。
あたしがあれ以来笑みを浮べずとも、叶夜は飽きる事のない笑みを浮かべ続ける。
ずっとそんなヘラヘラした顔面になるぞ。とか、余計な心配までさせられる。
そんな叶夜が授業中にあたしに喋りかけている間によく当てられる。
その慌てっぷりがどうもおもしろい。
クラスの連中は『またか』と、呆れた表情を浮べているのが大半。
叶夜の事を好きっぽい女子は叶夜が当てられる度にあたしを睨んでくる。
あたしは人のことを見抜くのだけは得意。
やはりと言うか、叶夜はモテるらしく、クラス内から5人ほどの鬱陶しい目線が飛んでくる。
いい迷惑だ。
どれだけ鈍感な人にだって、さすがにわかる。

