あたしの考えすぎだ。 と、その時だった。 叶夜があたしの腕を乱暴に引いた。 「行くぞ。こいつ、意味わかんねぇ」 なぜあたしがとばっちりを受けるのか。 こっちが意味わかんねぇよ。 (あたしが屋上に来たからであるが) 心中思いつつも、手を引かれるがままにあたしは足を動かす。 「じゃあな、くそ兄貴っ!」 叶夜は捨て台詞を吐きながら屋上の扉を乱暴に閉めた。 (おいおい、扉壊すなよ) 一番あたしに思われたくないだろう。