…全然、気付かなかった。 「あのさあ、ここ俺の場所なんだけど」 無愛想な声で彼は言う。 あの、昨日の金髪の―――――たぶん―――――先輩だった。 「屋上はてめぇの場所じゃあねぇだろ」 最もなことを叶夜は言い放つ。 「…何?俺に文句?目つきも悪けりゃ、口も悪いんだな」 彼と叶夜は互いにキツく睨み合う。 ああ、こういうの、すっごく鬱陶しい。 それでもって、すっごく面倒。 あたしが屋上に叶夜を連れてきたのが悪いんだろうけど、何もそこまで。