まあ、でも、せめて本人がいない所で言うとか、そういう気遣いはできないものか。
別に、いいけど。
あたしがクラスの能無し共に呆れ果てていた頃だ。
このクラスに一人、地獄に突き落しても治りようのない一番重傷な馬鹿を忘れていた。
「俺たち、つき合うことになったから!だから何したって勝手だろ」
前の席の奴、無論神田叶夜は有りもしないデタラメをさも堂々とした態度でいいやがった。
ずっしりと自分の席に腰を下ろし、どう見ても偉そうな態度。
後ろから後頭部を狙ってグーパンでも喰らわせてやるか。
そう考えたが、奴の頭はなんとなく石頭ぽいので、あたしの右手の為にやめておいた。

