「大胆だな、お前っ」
「…なっ!?」
余裕な笑みを浮べて言う叶夜の言葉に、あたしの顔はみるみるうちに赤く染まった。
「アンタがいけないのよ!んなとこに突っ立てるから!!」
「何で俺なんだよ!?そっちがコケたんだろ」
「あーもう、うるさい!あたしがそうって言ったらそうだし、違うって言ったら違うのよ!わかった!?」
グイっと思いっきり叶夜のネクタイを掴んで顔を近づけてやる。
顔を赤くしながら言うのだから説得力など全然ないだろう。-――――まず、コケたことに対しての原因の原点から違うが。
ガラッ。
ガラッ?と思い、あたしは馬乗りの体勢のまま後ろ、扉の方に目をやる。
教室の入り口に立っていたのは中学が一緒だった、超口が軽くて、チャラくて、喧嘩が弱いことで有名な男だった。
そいつは唖然としている。

