あたしはまだ知らない校舎の回路だが、当たり前のように屋上へ向かった。


中学生の時、よく屋上で授業をサボっていた。




成績は学年トップだったし、あんなタメになんない授業なんて受ける必要性があたしには全く感じられなかった。


レベルの高い高校に行けと耳が痛くなるぐらい教師から言葉を浴びせられた。




結局、あたしが選んだのは電車で三駅の一番近い公立高校。


学校のレベルは高い訳でも低い訳でもない、中の中と言ったところだろうか。









あたしは初めて来る高校の屋上の扉を―――――意外と場所がわかんなくても着くものね、と感心しつつ―――――開けた。


少し錆びれた扉からあまり使われていないことをにおわせる。




「珍しい、お客さん?」




扉を開けて真正面、10メートル程先のフェンスに凭れ掛かっていたのは、長身で癖のない金髪のストレート、上級生の姿だった。