「珍しい名前だよな。だけど…なんかアンタに似合ってんじゃん?アンタ色々と神がかってそうだから…天って名前!」




神なんて、いない。


神がいたら、あたしは”そいつ”を一生恨んで生きるわ。




顔面天気男はにっかりとウザい程に笑みを浮かべている。


だけどあたしはお構いなしに、無視のコマンドを選択した。




「可愛いと思うけど?似合ってて」



「!!?」




顔面天気男はさっきとは違った穏やかな笑顔と落ち着きのある低い声で囁くように呟いた。



あたしは窓の外を見たまま、目を丸くし、半開きになった口を閉ざさずにはいられなくなった。




「あれ?なんか顔赤くねぇか?熱でも―――――って、うわ!」




あたしは顔面野郎(!?)の胸ぐらをまたもや精一杯の力で掴み、自分と共に勢いよく立たせてやった。




「ちょ、苦し…―――――!」




顔面野郎の足が地から軽く浮く。