顔立ちやパーツは整っている。
髪は明るい赤で、あたしにとっては目障りだった。
しかもピアスにネックレス。
鬱陶しいったら!
制服も着崩して、これまたフリーダムなことだ。
だけど、これは、いわゆる、イケメンだ。
とか思いながらも、あたしは彼に冷たい視線を頂戴させてやる。
「うるさい。憶測でモノを喋らないで」
あたしは彼の胸ぐらを掴み、思いっきり顔を近づけてやる。
そして最後にトドメの言葉を喰らわせてやった。
「変な誤解されたら、周りがゴチャゴチャ騒ぐから迷惑なのよ」
そう言い捨てたあたしは胸ぐらを放す。
そして何事もなかったかのように、髪を軽く靡かせる。
それから右手で頬杖をついて左の窓の外に目を向けた。