水原君の歩くスピードが遅かったら…、と思ってゆっくり目に階段をのぼった。
廊下もゆっくり歩いて、
いよいよ補習室の前。
こんな早く眠らないと思うし、そもそも寝に来たのか分からないし。
そう考えた私は、少し待ってから補習室をのぞいた。
すると、そこには昨日と同じ場所で、同じ体制で、同じように寝息をたてる水原君がいた。
私はまた補習室に踏み入れて。
水原君に近づく。
駄目だ
駄目だ
分かっているんだけど、止まらない。
私はまた、寝ている水原君に震える唇で軽くキスをした。
1度目で止めればきっと止められた。
でも2度目もしてしまった私はもうこの甘い味を覚えてしまった。
きっとバレてない。
それから毎日、第4補習室に眠りに来る水原君。
それに着いていき、唇に触れる私。
甘い感触、少しのスリル
止められない。
私は毒されたように、毎日補習室にかよった。



