『さ、何しよっか』
「ちょっ………」
部屋に入るなり、水原君は私の肩に両腕をかけてきて。
持っていたスクールバッグは床に落ちる。
水原君は片手でカーテンを閉めて。
『電気はいらないね』
って。
だから部屋は暗くて。
でも近くで見える綺麗な顔はちゃんと見える。
『嫌がらないの?』
「へ?」
『普通嫌がるとこじゃない?』
だって…
「嫌じゃないもん」
逆らえない状況でこんなことされてるけど、嫌じゃない。
てゆうか好きな人にこんなことされて嫌なわけない。
良くないことだとは思うけど、だからってこのドキドキに嘘をついて、「やめて」なんて水原君の腕を払う程、私はできた子ではないし。
『じゃ…キスしていい?』
私はこくりと頷く。



