「どうだ?どこかに出ていないか?」

情報倶楽部の部室に戻った高坂は、舞を使って、徹底的に調べていた。

それは、昨日起こった事件に関してである。

「何十人の人間が消えたんだ。それに、レダだっていなくなったはずだ!」

パソコン前で、マウスを走らせる舞の肩越しで、高坂は画面を睨んでいた。

「やっぱり〜ないですね」

舞は高速でマウスを移動させながら、目を忙しく動かしていた。

「そんなはずは!」

「レダに至っては」

舞は、画面をクリックした。

検索画面から、華やかな壁紙を施したホームページに変わった。

「ブログを今日の朝に、更新していますし」

「何!?」

高坂は、画面に顔を近付けた。

「ぶ、部長!」

舞は、首を曲げた。高坂の頭が邪魔で、画面が見れない。

「昨日だと!?」

高坂は、最新の日記を見て、眉を寄せた。

「舞!昨日とは、今日の昨日か!」

「どいて下さい」

舞は強引に高坂を、画面からどけると、マウスを移動させた。

「確かに、昨日ですね。部長が行ったパーティー?え!」

日記の内容に、目を走らせた。

「どうした?」

舞の表情が強張ったのに気付き、高坂はまた画面に顔を近付けようとした。

「邪魔!」

舞は肘で、高坂の動きを止めると、食い入るように画面を見た。

「昨日は…大辻でライブ?」

日記の横には、ライブ会場の様子が映されていた。

舞は下唇を噛み締めると、画面を変えた。

「パーティーに関しての記述がありません」

そして、トップページのスケジュールをクリックした。

「スケジュールにも、パーティーはありません」

「どういうことだ?」

高坂は画面から離れると、舞の横顔に目をやった。

「部長達が、パーティーにいた時間と…ライブの時間はかぶっていませんが…場所が離れ過ぎている。テレポートでもしなければ、すぐに移動できない」

画面は、地図検索に変わっていた。