「…信哉って、双子だったんだ!!」
確かに美瑠紅はまだ会った事が無いだろう。
「信司君ってさ、信哉と違って可愛いよね」
と亜由美。
「…あ、分かるかも。
信哉はクール系だけど、信司君は
ほのぼの系なのよね。」
と愛華。

雑談(女子だけで)をしていると、
信哉が戻ってきた。
「わりぃ、遅くなった。」
と言いながら早歩き(病院は
走ってはいけないので)で来た信哉。
「良いのよ、信司君のとこ
行ってたんでしょ?」
と愛華が言うと
「…何で知ってんの?」
と信哉。
いつもなら「医師(せんせい)?」
と見抜くのに。
「…医師から聞いた。」
そんな信哉に疑問を抱きつつも、
普通に答える愛華。


――この時、

信哉の異変に、気付いていれば。



――信哉があれほど苦しむことは、なかった?