いつもは皆、両親の事を 心配しなかった。 冷たい、という訳ではない。 信頼しているからこそ、 大丈夫だと知っていたのだ。 だが、今回ばかりは そうはいかない。 母は身重で体を第一に 気遣わなくてはならない。 だからと言って、父は “佐倉組”組長としての仕事も ある為、いつも母と一緒 と言う訳にもいかなかった。 だが、焦ってしまっては逆に失敗する。 それを頭では理解していても、 今の愛華達では実際にするのは難しいであろう。 ――まさしく、“舞蝶の危機”だ。