「だからあたしが病院まで乗せていってあげるって言ったのにー…じゃあね!」

姉貴は出かける前に、俺の部屋を覗いて。
嫌味混じりの言葉をわざわざ言いに来たのは、何だかんだ心配しているんだと分かっているけれど。

いちいちイラッとしてしまう俺は、まだまだガキだなと思う。

寝込んで二日目。明日には何とか復活したかったが、今日は金曜日。

まあ、ちょうどいいか…

さとりはいよいよ大会だ。

そう言えば、朝メールが入っていたのを思い出して携帯を開いた。

まだ未開封のままのメールの送信者は、小田切さとりと知らせている。

『おはよう!お元気ですか?私は元気です。大会行ってきます』

お元気ですか?って…

昔の典型的な手紙の書き出し文じゃん。

元気だったら学校休んでねぇし。

フッと笑いが漏れて、もう大会はとっくに始まっていて、さとり達の出番は終ってしまっているかもしれないけれど。


『頑張れ』


と返信した。色々突っ込み所はあったが、言ったところで伝わるか分からないからやめておくことにしたんだ。

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