コンコン……

夜中の2時。

窓が叩かれる音がした。

頭が痛くて、目が覚め、寝るに寝れなくて、布団の中で頭を抱えていた。

誰よ?

って、二階の窓を叩くやつなんて、一人しかいない。
向かいあった窓。

1mほど離れた屋根を、飛び越えてやってくる。

コンコン……

なんとか立ち上がり、カーテンを開けた。

わっ………。お化けにしか…………。

窓に顔をべったり張り付けた奇妙な生き物。

窓を開けた途端、


「おせぇんだっての。」


文句を言いながら窓を乗り越えた。


「こっちの台詞です。何時だ」


「ほら。」


文句を言おうと思ったら、目の前に突き出されたビニール袋。


「何?」


「見てみな。」


得意気に袋を押し付ける。


メロン!



「どうしたの?」


「買ったに決まってんじゃん。」


「何で?」


「食いたかったから。」


「自分ちで食べれば良いじゃん。」


「ひとつしかなかったからさ。」


「は?」


それなら、尚更見せびらかすなっての。