話す人がいない。本さえ友達になってくれない。本当に友達がいなかったから、暗闇に逃げ込んだ。
暗闇に逃げ込んだあと、残った残像が憎く思えたりもした。


目をあけていれば、うるさい喧騒もいっそう大きくなるから、目を閉じて目の前の世界から孤立した。


交ざりたいはずの景色に、あまりにも僕が違う色だったから。


孤立した色を誰も見ることはなかった。人知れず確かに存在するものを、誰も見向きもしなかった。


憎しみなんて、くだらない感情をさっさと捨ててしまえばよかったんだ。



みんなと、自分の色がわからなくなるまで溶け合えば、自分と人々の混ざり合った色を飾り、僕からしてみれば大きな功績になったかもしれないのに。