君が来てからずっと疑問に思っていたことがあった。 それは、夏だというのに君が着ている長袖のカッターシャツ。 手を洗うときでさえ捲ろうとしない。 けれどある日、ちらっと見えてしまった―。 左手の手首に無数の切り傷。 本当はすごく気になる。 すぐにでも問いただしたい。 でもそうすると、君との関係が壊れてしまいそうで怖かったんだ。 ―ごめんね 何も言えない最低な奴で…。