ロールプレーイング17

「いや、別に意味なんてないんだけど。一はさぁ、そんなこといちいち聞かなくてもそんなミスるやつじゃないし、なんて言うか、、こう、、言う必要ないかなって思っただけなんだ。夏休みは短いしな。」
 柄にも無く僚介が言葉に躓いていていた。

「僕をかばおうとしたのか?」

 僕は正面を向いたまま、小さくそう言った。
「いや、、そういうんじゃねーよ。ただあの時、言わなくていいって単純に思っただけだって。」
 何を言おうとしても、応急処置で貼り付けた絆創膏みたいで。この傷の根本を直す材料にはなりそうも無かった。

「ちょっと聞いてもいいか、、、?僚介は僕のことを見下してないか?」
 
 僚介は、ゆっくりとタバコの火をコンクリートでもみ消すとこの会話の重みにやっと気付いたように、僕の方に向き直った。
「あのなぁ、一は何か誤解してないか?いつ俺が一の事をそんなふうに思ったって言うんだよ。」
「いつって、どうせいつもそう思ってたんだろ。」
 僕は投げやりな態度で、そう言い放ち、缶ジュースを口にした。
「一はそんなふうに思ってたのか?」
「あぁ、思ってた。学校に行かないことも、家族のことも、今回の仕事のことも、将来についてのことも、、、。いっつも全部じゃないか!僕を上から見下ろして、何でもわかった風なこといって何でも知ってるみたいな顔してさぁ、、。何がしたいんだ?僕をかばいたいのか?そんなに僕が弱いって思ってるのかよ。そんなに自分が偉いのか?強いのか?自分だって中卒で、高校にだって進学してもいないじゃないか!そんなやつにわかったような口でなんでも言われたかないんだよ!」
 言い過ぎたかなって思ったけどまだ足りないような気もした。隣にいる僚介はいったいどんな顔をしているのだろう。
「ごめん、そんなふうに感じさせてたなら、誤るよ、、。本当にごめん。」
 僚介はそう言って、しばらく間を空けてから、また話を続けた。