僕の方が先に僚介に声を掛けた。朝のいつもと違う僕の態度を気にしていたのか、僕が声を掛けた瞬間、僚介は心なしかほっとしたような表情を浮かべた。僕らは事務所を後にした。いつものスタンス、いつもの歩幅、いつもと何も変わらないはずなのに、僕の鼓動の高鳴りは、途絶えることの無いばかりか、むしろ次第に緊張感さえも高まっていった。
「何か飲むか?」
僚介が自動販売機の方を指差していった。
「うん。」
僕は素っ気なくそれに答えた。そして自転車を止め、ポケットから小銭入れを取り出し百二十円を投入した。ボタンを押す。缶ジュースが音を立てて向こう側から扉を叩いた。
僕らはアパートの日陰になっている縁石に腰をおろした。
「今日もいい天気だな~。」
僚介はいつもののりでそう言った。
僕は何も言わずに頷いた。タブをあけると気温差の圧力でか、勢い良く空気中に炭酸水の香りが舞った。僚介はタバコに火をつけ空を仰ぎ見た。
いつ言い出そう。僕は切っ掛けをまった。こういう話は決心が付いていても、始めるはずみとなる機会や手がかりがないと、なかなか前に進まないもんなんだなって思ったけど、僕はこの場で決着をつけよと言葉を吐き出した。
「あのさ、クレームの件なんだけどさ、なんで僕に言わなくていいなんて言ったんだ?」
隣にいる僚介はタバコの煙を吐き出すと、一瞬言葉を選んでいるようにも思えた。僕は視線を感じたがあえて僚介の方を見ないようにした。
「井上さんに聞いたのか?」
僕は無言で頷いた。
「何か飲むか?」
僚介が自動販売機の方を指差していった。
「うん。」
僕は素っ気なくそれに答えた。そして自転車を止め、ポケットから小銭入れを取り出し百二十円を投入した。ボタンを押す。缶ジュースが音を立てて向こう側から扉を叩いた。
僕らはアパートの日陰になっている縁石に腰をおろした。
「今日もいい天気だな~。」
僚介はいつもののりでそう言った。
僕は何も言わずに頷いた。タブをあけると気温差の圧力でか、勢い良く空気中に炭酸水の香りが舞った。僚介はタバコに火をつけ空を仰ぎ見た。
いつ言い出そう。僕は切っ掛けをまった。こういう話は決心が付いていても、始めるはずみとなる機会や手がかりがないと、なかなか前に進まないもんなんだなって思ったけど、僕はこの場で決着をつけよと言葉を吐き出した。
「あのさ、クレームの件なんだけどさ、なんで僕に言わなくていいなんて言ったんだ?」
隣にいる僚介はタバコの煙を吐き出すと、一瞬言葉を選んでいるようにも思えた。僕は視線を感じたがあえて僚介の方を見ないようにした。
「井上さんに聞いたのか?」
僕は無言で頷いた。


