ロールプレーイング17

「例えば購読者からのクレームがあった場合、担当者にペナルティーを課すこともある。クレームの内容としては、不着、新聞が配達されないこと。未着、誤配、破損。それから購読者からのクレームとは異なるが、ペナルティーの対象となる配達業務での失敗は、遅配、欠配、何らかの事情により、担当者が配達しなかった場合だな。全部説明しなくても、だいたいはわかるだろ?」
 僕は頷いた。
「そこでなんだがな、、。僚介には、一には言わなくていいと言われていたんだが、、。一応同じ状況下でがんばってもらいたいと思ってな。」
 僕はなんとなく状況を把握し始めた。
「一週間くらいたってなれてくると、やっぱり人間って者はミスをするようになりやすい。一の回った家から2件クレームが来たんだ。」
 クレーム?凍りを飲み込んだ時のように冷たい物が僕の中を滑り落ちていった。
「いや、たいしたクレームじゃあないんだがな、、。しかしクレームはクレームだ。完璧な仕事をこなすなら。その失敗を次に生かさなければならない。」
 僚介のヤツ、、、。僕はかっとした。何で言わないんだと。何で隠すんだって。大人ぶるのもいい加減にしろって。

「で、、、。クレームの内容はどんな物だったんですか?」
 僕は言葉を、やっとの思いで押し出した。

「3丁目の鈴木さん、わかるか?」
 なんとなくは覚えてる。
「あの、、緑の屋根の家ですよね。」
「そうだ、一は記憶力がいいな。」
 井上さんは笑っていた。そんなことは今はどうだっていいことなんだ。僕は早く真実が知りたい。
「その鈴木さんの家じゃなくて、家の購読者じゃないお隣のうちに配達されていたらしい。お隣とは、仲がいいらしくてな。すぐに誤配とわかった。」
 僕は軽いショックを受けた。自分が間違えたのかって、、。
「後もう一件はな、まぁうるさいうちなんだ。十分遅れただけで、届くのが遅いといちゃもんをつけてくる、4丁目の花塚さんだ。」
 名前を言われた瞬間、そのお客のうちのイメージがわいた。