ロールプレーイング17

これ以上深く考えると、どんどん自分の考えから逸脱してしまいそうで、、。自分が何をしたかったのかすら解らなくなってしまいそうだった、、。
自分の考えていたことを自分で否定するのが怖かった。死ぬこと、生きること、、。今の僕には撞着以外の何者でもなく、、。だだ、僚介の〝逃げる″と言う言葉になぜか僕は見放されたような、胸の真ん中が冷たくなるような、そんな虚しさを感じるだけだった。

「昔俺、喧嘩してパクられたことがあったんだよ、そん時俺の身柄引き受けにきたお袋がいったんだ〝人生意味の無いことは無い″ってさすがに俺そん時は泣きそうになったよ。お袋は俺の気持ち全部わかってたんだなって、気付いてさ、、。それと同時に、いい事にも、悪いことにも、ちゃんと意味があるんだって俺に教えたんだ、、。俺、その言葉で変われた気がした。」
 突然告白された僚介の言葉。その話を聞いたのも初めてだった。僕はきっと僚介の10%も知らないのだろう。

〝人生意味の無いことは無い″

 麗華さんはどんな思いをこめてこのメッセージを僚介に与えたんだろう、、。
僕にはこの世の中意味の無いことだらけのように感じるのに、、。
だけど少しうらやましかった。僚介と麗華さんの〝家族の絆〟が、、、。
僕にとっての、僕の家族って何なんだろう、、、。
心が少し寂しかった、、、。
僕の思考は考えれば考えるほど、、深く、深い湖の底に引きずりこまれるように、、。息苦しくなっていった。氷がグラスの中でとけていった。溶けた氷で薄まる青、空気中の水蒸気が、グラスを伝い、僕の指をじわじわと濡らした。
 いつかの夏も、母親の入れたカルピスを飲み、グラスを伝う水滴に僕は指を濡らしていた。あの日が今日に続いているなんて、夢にも思えなかった。今現実のどのあたりに自分がいるのかすら解らなくなった僕はグラスを強く握り締ることしかできなかった。

まだガキだったあの時の僕は今の自分のことなんか考えるすべも無く、、。ただだたグラスの中のカルピスの甘さに酔いしれているだけだった。