ロールプレーイング17

「親思いだな、、。」
 僕はつぶやくようにそう言った。
「わが子を心配しない親なんて世界中捜したっていないって言ってたぜ。だから俺も、世界でたった一人の肉親である、お袋を大事にしたいなっておもってるんだ。」
 僚介の思いやいは、口先だけの物じゃないってすぐに伝わってきた。僕らは残りのご飯を平らげた。

 店の奥からおばちゃんが出てきて、僕らにアイスをくれた。
「今日は暑いね、今が一番暑い時間帯だからゆっくりしていってちょうだいね。」
 おばちゃんは僕らに優しくそう声を掛けた。
「ありがとうおばちゃん!」
 僚介は元気にそういった。
「ありがとうございます。」
 僕も僚介に続いてそう御礼を言った。
「おばちゃん聞いてよ。」
 僚介は突然店の奥に戻ろうとするおばちゃんを引き止めた。
「すげーんだ。一は小説家になるんだぜ!」
 僕は咽てアイスが喉に詰まりそうになった。
「ちょっと、まだそんな、ちょっとやってみたいなって思っただけだよ。」
 僕は否定しようとした。結末さえも見えない話を。
「まぁ凄いじゃないの、一ちゃん。頑張って書けたら、是非読ませてね。」
だから話が早すぎるって、、。
「聞こえたぞ!一君はいずれ物書きの先生になるのか!?」
 店の奥から今度はおじちゃんまで顔を出した。腕を組んでまだ実現もしていない話に感心し、完全に花を咲かせてしまっている。僕の立場も考えてくれよ。顔文字であらわすなら、僕はため息を付いたあの呆れたマークをここに入れるだろう。だけど誰かに期待してもらえるってことがこんなにわくわくすることだったなんて、もし僕がこんな夢を見もしなかったら、得ることの出来ない感情だったなのかなって思った瞬間。おじちゃんとおばちゃんに、ありがとって言いたくなった。だから僕は心の中でそうつぶやいた。