ロールプレーイング17

僕は、僚介からフレアの練習や新聞配達の仕事のことを聞いたときから、自分一人当ても無く、取り残された気持ちになっていた。もともと人間は一人なんだと言うことすら忘れて。
僕はもがこうとしていたんだと思う。一歩ずつ理想を現実の物にしようとしている僚介を、誰よりも真近に感じていたことで、、、。
 僕はこの日僚介が働いている新聞社に足を運んだ。新聞は日曜日も休みが無い。午前六時寮介が、新聞配達を終え新聞社にもどってきた。僚介はすぐに僕の存在に気付き驚いていた。

「一!どうしたんだよこんなところで。」

 僕の一メートルほど手前にバイクを止めると、僚介はメットの紐を緩めた。カブに乗る僚介を見るのも初めてだった。

「さまになってんじゃん、その格好。」
 僕は冗談っぽく僚介をなじった。
「これか?去年免許とったんだよ。」
 僚介は、バイクを指差し笑った。
「僚介が本当に真面目にやってんのかを監視しに来たぜ。」

 本当は違う、一人取り残される不安が僕をここまで連れてこさせたんだ。

解っていただけど僕はあえてそんなことを言おうなんてこれっぽちも思ちゃいなかった。
「真面目にやってるよ、当たり前だろ。」
 僚介はけダルそうな顔をして見せた。
「何だよその顔?」
 僕はわざと突っ込んだ。
「本当はダルイんだけどね、、。」
 僚介が笑って言うから、僕も笑った。僚介はいつもどんな時もその場を楽しませ手くれようとする。
「ちょっとまっててくれよ。バイク店に戻してくるから。」