ロールプレーイング17

僕の中の僚介が少しずつ遠くに離れていく、、、。
遠いい存在に、、、。
こんなに近くにいるのに、、、。

同じ場所を歩いていると思っていたのに。

「悪かったな。なんか恥ずかしいっていうか、今の俺なんかじゃ人に堂々と言えるほどの腕を持ってるわけでもないし、それで世界を語るなみたいなもん自分でもちょっと思っててさ。でもやっぱりどうせ理想を持つならデカイ方がいいだろ。可能性は無限なんだよ、俺たちの可能性に限界なんてないんだ。そう思わないか?俺は本気でそう思うぜ。」

 僕の中で何かが音をたてて崩れ去るのを感じた。荒涼とした砂漠が茫漠と広がるように、、僕の心にこの言葉が一瞬にして広がった。
〝無限の可能性″
ありきたりなただの言葉なのに、どうして僕はこんなにも大きな衝撃を受けたのだろう。未来なんて無いそれが僕の考えだったから。僕の胸は震えていた。次の言葉が見つからない。
「まっ半分は井上さんの言葉の受け売りなんだけどな、、、。」
僚介は笑いながら照れくさそうに頭をかいた。
「夢は大きくて、遠くにある方がいいって。井上さん俺にそう言ったんだ。」
 僚介は胸のポケットからしわくちゃのソフトケースに入ったタバコを取り出した。
「一も井上さんに会ってみないか?いい人だぜ。これが大人ってもんだなって感じるよな人だから。」
 何か中途半端なイメージの説明だったけど、僚介の思う大人ってどんな感じなんだろうって凄く興味をそそられた。

「別にいいよ。」
 以前の僕だったら、見知らぬ他人を紹介するなんて言われたって、会ってみようなんて気持ちには間違いなくなることはなかった。