ロールプレーイング17

僚介は、タバコの煙を吐き出すと。片手をあげて微笑んだ。僚介は立ち上がり、タバコを灰皿に押し込んだ。
「本当に悪いな。無理言っちまって。」
「気にしなくていいよ。それに僕は無理なんて全然してないから。」
 それは僕の本心だった。

「うちのお袋、店やってんだ。今日当たりは給料日前で店が結構暇なんだ。だからお袋の店に行くって言ってある。店こっから近いんだ。」
 僚介は行こうぜ。と最後につけたして僕の前を歩き始めた。

「そういえば俺たち夜に会うのって初めてだな。」
 僕もさっきそう思った。
「うん、それに約束をしたのも始めてな気がする。」
「そういえばそうだな。」

 カラスが鳴いた、どこか遠くで、、、。
「寝ぼけたカラスもいるもんだな。」
 僚介は笑った。
「きっと夢を見ているんだよ、、。」
 たわいも無い会話を交わしながら、僕らは歩いた。同じ歩幅を保ちながら。
 少し肌寒い空気が僕たちをかすめていった、僕は空気を深く吸い込んだ。僕らは線路沿いの道をゆっくりと歩き始めた。線路を走る電車が僕らの音を全て飲み込んでいった。オレンジ色の窓の光、電車の速度は速すぎて乗ってる人間すべてが、灰色の絵の具になってとけていくみたいに、その余韻だけを残して、輪郭も無く一瞬で走りさっていった。 
 
「あそこだよ。」
 不意に僚介は指を指した。
L’anje blu
 青くてか細いネオンの文字が浮かびあがっていた。
「アンジュ ブル?」
 僕はその文字を口ずさんだ。