僕は、ここまでそっと運んできた、傍らに置いたソラの入った箱を指差した。
「どれどれ、」
僚介はまちきれない様子で、箱に手をかけその隙間からソラの様子を窺っていた。
「こっち見てるぞ!」
「箱の隙間から誰かが覗けば、そりゃあソラだって見るに決まってんだろ!」
僕らは笑った、たわいない会話が妙にうれしく感じた。
「んじゃいくか。」
僚介は吸いさしのタバコを灰皿に押し込み、ソラの入った箱をゆっくりと持ちあげた。僕もベンチから立ち上がり、僕らはゆっくりと歩き始めた。
「早く飛べるようになるといいな。」
僚介はソラの入った箱を大事そうに抱えながら、そうつぶやいた。その言い方に切実な感情みたいな物を感じた気がした。僕は自分以外の人間、いや自分以外の全ての物に何か特別な感情なんて抱いたことがない。僚介はなんでこんなに何かに夢中になれるのだろう、特別な感情を抱くってどんな感じなんだろう。ちょっと気になっただけだけど、自分がこんなことを考えるのがちょっと不思議だった。
「そうだね。」
僕の言葉はきっと、なんの感情もこもっていないただの虚しい〝言葉〟でしかなかったんだと思う。
病院の待合室で、僕はまたあの絵を眺めた。寂しい絵感情のこもっていない感情。隣にいる僚介はいま何を考えているのだろう。
「なぁ一。」
僕は、僚介のほうに視線を向けた。
「何?」
僚介は少してれたように話を切り出した。
「うちのお袋にさぁ、この間一のことを話したんだよ。そしたら今度一回あってみた言っていいだしてさぁ。」
予想外の内容に僕は少し驚いた。
「どれどれ、」
僚介はまちきれない様子で、箱に手をかけその隙間からソラの様子を窺っていた。
「こっち見てるぞ!」
「箱の隙間から誰かが覗けば、そりゃあソラだって見るに決まってんだろ!」
僕らは笑った、たわいない会話が妙にうれしく感じた。
「んじゃいくか。」
僚介は吸いさしのタバコを灰皿に押し込み、ソラの入った箱をゆっくりと持ちあげた。僕もベンチから立ち上がり、僕らはゆっくりと歩き始めた。
「早く飛べるようになるといいな。」
僚介はソラの入った箱を大事そうに抱えながら、そうつぶやいた。その言い方に切実な感情みたいな物を感じた気がした。僕は自分以外の人間、いや自分以外の全ての物に何か特別な感情なんて抱いたことがない。僚介はなんでこんなに何かに夢中になれるのだろう、特別な感情を抱くってどんな感じなんだろう。ちょっと気になっただけだけど、自分がこんなことを考えるのがちょっと不思議だった。
「そうだね。」
僕の言葉はきっと、なんの感情もこもっていないただの虚しい〝言葉〟でしかなかったんだと思う。
病院の待合室で、僕はまたあの絵を眺めた。寂しい絵感情のこもっていない感情。隣にいる僚介はいま何を考えているのだろう。
「なぁ一。」
僕は、僚介のほうに視線を向けた。
「何?」
僚介は少してれたように話を切り出した。
「うちのお袋にさぁ、この間一のことを話したんだよ。そしたら今度一回あってみた言っていいだしてさぁ。」
予想外の内容に僕は少し驚いた。


