ロールプレーイング17

僕だったら、気付いてもそのまま素通りしていたかもしれない。僚介はあの時何の迷いも見せなかった。本心からこの小鳥を助けたいと思っているのが伝わってきた。
 僕らは鳥専門のバードホスピタルを目指した。僚介はスーパーの脇のゴミ置き場から、小さな段ボールを拾い、その中に小鳥を入れてやった。そのまま僕らは電車に乗り、隣町の駅を目指した。電車のドアが閉まり、規則正しい電車のリズムにのりながら、僕らは三分間の電車の旅をした。できる事ならこのままどこか遠くまで本当の旅をしてみたかったけど、、、。扉はすぐに開き、、、。僕らは下車をした。

「意外と近いな、、。」
 僚介は言った。
「隣の駅だからね、、。」
 僕は僚介と小鳥の入った箱を交互に見てそう答えた。

僕たちは東口のロータリーを抜け、さっきの電話で言われた通りの道を進んだ。しばらく道なりに歩いていくと、バードホスピタルのでかい看板を発見し、僕らはすんなり病院にたどりつくことができた。
 病院のドアを開け中に入ると、受付の動物看護だろうか、とにかく受付の係りの人間が、僕らに向かって愛想よく笑顔でこんにちはと声を掛けてきた、僕より先に中に入った僚介は、それに答え挨拶をしていた。

「この小鳥さっき道で見つけたんですけど、羽が折れてるみたいなんです。」

 僚介は、受付の看護師にそっと段ボウルをさしだした。
「見せてもらっていいですか?」
 看護師は、段ボウルを受け取り、そっと蓋を開けた。さっきまでは静におとなしくしてたのに、段ボウルの中に光が差し込んだせいか、小鳥がバタバタと羽音をたてて暴れ始めた。看護師はやや控え気味に蓋をあけ中をそっと覗きこんだ。
「あっ、背黒セキレイの赤ちゃんだ。ほら口ばしの周りに黄色い淵があるでしょ、これが赤ちゃんの印なの。」
 そう言われ、僕らもそっと鳥のひなを除き見た。