ロールプレーイング17

僕には何も聞こえない。
「ほら、なんか小鳥っつうか、ぴよぴよ鳴いてるみたいな、、、。」
僕は耳を澄ました。
 あっ、僕の耳もその泣き声が微かに聞き取れた。小鳥?凄くか細くて、弱弱しくて、全ての雑音にかき消され、誰の耳にも届かず消えてしまいそうなほどの小さな鳴き声が、、。
僚介は辺りに耳を澄ませ、鳴き声の元をたどろうとした。
「近いな、、。」
 僚介は、とにかく自分の聴覚を研ぎ澄ましてるみたいに、何も言わず植え込みの垣根を掻き分けた。僕は一歩下がって僚介のその行動を見ているだけだったけど、僚介が掻き分けた草の中に、微かに白い物を見た気がした。
「あっ、そこ!」
 僕はとっさに、指をさし、僚介にそれを教えた。
 次の瞬間にはもう僚介は何かとても大切で、壊れやすい物を手にした時みたいに、労わるようにそっと。両手を丸め、何かを握り締めていた。
 僚介は僕の方にゆっくりと近づき、その手の平の中身を僕にそっと見せた。
 白くて黒いラインが入っていた。そいつはとても小さくて、水っぽい真っ黒な瞳が青い空を映し出しきらきらと輝いていた。

「小鳥、、。」

僚介が小さくささやいた。
よく見ると、左の羽だけが動いてなくて、なんだかその翼をかばおうとしてるみたいに小鳥は痛々しく震えていた。
「羽折れて飛べないみたいだな。」
 僚介は僕にそう言った。
「動物病院、、、とか、、、もって行ってみる?」
 僕は、なんとなく思いつきだったけど僚介にそう促してみた。
「あぁ、連れってってやろうぜ。」
 以外にも、その答えの速さに僕は驚いた。
「まって、今104にテルして病院の場所と診察時間みたいの聞いてみるから。」