俺のワケアリ彼女




視線のする方を向くと、階段の上から男が見ていた。



「・・・こんにちは・・・」



階段をおりてくる男はニコニコとして愛想がよかった。



「どなたですか?」



「ぁ・・・、涼さんの担任です」



「私は、涼の父親です」



ニコニコとした男は涼の父親だった。



涼は震えている。



「涼はドシでね、すぐ階段から落ちるんですよー」



笑いながら話す涼の父親。



「・・・涼、自分の部屋に戻りなさい?」



父親が笑ってそう言うと、



涼は余計に震え出して俺のスーツを震えた手で強く握った。



「こら、先生から離れなさい」



涼は怯えながら俺にしがみつく。



「すいません・・・、涼離れなさい」



「・・・・涼・・・・?」