桜は外に飛び出したが、優の行きそうな場所が分からない。 二人で行った場所は海。もしかして優は海に…いや。 「教会…」 二人の思い出の場所。二人の時間が始まった場所。 桜はタクシーを停め教会まで一気に走り、そして教会の裏に回る。だがベンチには優の姿はなかった。 「……」 けどその場の雰囲気がいつもと違い居心地が悪く、胸の鼓動が早くなる。 桜は嫌な気持ちを抱えたまま、ゆっくりと桜の木に近付く。 そして見付けてしまった。 「優…」 私は、本当に傷付けてしまった。