「た、ただいまぁ……」
帰って来た時には、もう9時を過ぎていた。
歩き疲れてヘトヘトで、そのまま玄関に倒れ込んだ。
結局あれから、あたしも愛チャンも、すっかり乗り気になっちゃって、3人でショッピングを楽しんだ。
あたしは予算がそんなになかったからあんまり買えなかったけど、すっごく可愛いのが買えたんだ。
苺柄のカーディガンと、白いバルーンスカート。
おまけに、ピンク色のパンプスまで買っちゃった。
初めての3人での買い物はすっごい楽しかったなぁ……。
1人でニヤケながら、そんなことを考えていた。
「遅かったじゃねぇか」
不意に顔を上げると、リビングからエプロン姿の楓が顔を出していた。
それと同時に、美味そうな匂いが漂う。
今日の夜ご飯は、チャーハンかぁ……。
なんかお腹すいてきた。
ローファーを無造作に脱ぎ捨てて、立ち上がり、リビングへ向かう。


