「あ、あーちゃん!?」
あたし達の方に向かって走ってくる、あーちゃんの手には既に……。
「あれ、買い過ぎでしょ……」
愛チャンが冷ややかな目で、あーちゃんの走ってくる姿を見つめる。
そう…あーちゃんの手には10袋くらいの紙袋が、ぶら下がっていた。
「ほら! 早く2人も行くよ!」
肩で呼吸しながら、あたし達の前までくると、あーちゃんは目を輝かせながら言った。
「花柄のワンピースとレースのパンツ買っちゃった!」
無邪気に笑いながら言うあーちゃんだけれど買ったのは、きっとそれだけじゃない。
「それからね、シフォンのスカートと……」
「分かった!分かった!」
そう言ってあーちゃんの言葉を遮ったのは愛チャンだった。
「もういいんじゃない? そろそろ帰ろうよ」
「ほら! まだまだ可愛い服、沢山買うわよ!」
愛チャンがそう言ってもあーちゃんは聞く耳さえもたない。
……そうやって、あたし達が夜まで連れ回されたのは言うまでもなく……。


