「……穂香! 大丈夫?」


あーちゃんの顔がドアップであたしの目の前に登場した。


「……え、あっ、うん! 大丈夫だよ!」


顔の前でジェスチャーして、元気な素振りを見せた。


「……そう? ならいいけど」


あたしに不満そうに見つめると、紅茶のペットボトルを手に持ったまま、あーちゃんはまた愛チャンと話始めた。


「ふぅ……」


あーちゃんに気づかれなかったことに安心して、小さなため息をこぼす。


あーちゃんの言う通り、そんなに気にすることじゃないのかな……。


愛チャンも、こうやって普通に接してくれているわけだし……。


ちょっと考え過ぎたのかな……?


きっと、考え過ぎなんだよね。


ブーブーブー


自問自答していると、ブレザーのポケットの中で携帯が震えた。


こんな時に、誰だろう……?


不思議に思いながらも、ディスプレイを覗く。


【新着メール一件】


【From:楓】
【Re:10秒以内に】

保健室においで


ーーーーENDーーーー